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  「 随想  」


新幹線をあらためて見直そう         

東興建設(株)  山田隆二


  連休に妻と娘と私の3人で山口県方面へ旅行した。3泊4日のかなりゆったりした行程ではあったが、新幹線で行こうと言うことになり、東京〜新山口間約4時間半を新幹線で、それから先はレンタカーで回った。天気も良く連休前半でもあり久しぶりにゆっくりしたという気分であった。明治維新の志士たちの誕生、成長の地、萩などをしっかりと目に焼き付けてきた。
  話はそのことではなく、新幹線のことである。約4時間半の乗車時間は、交通論から言うともう飽きの来る時間であるが、遊びと言うこともあると思うが、新幹線の乗り心地の良さと、空間のゆったりさに家族全員が満足したことを言いたい。 先に掲載された、佐藤君の北海道新幹線待望論に期待すること大であるが、北海道民の熱が今少し冷めているのではないかと気になっている。これはあまりに長い間、札幌と東京間を殆ど航空機でしか利用出来ないようにしてしまったため、大多数の道民は最新の鉄道の良さに触れる機会を逸してしまい、先入観として新幹線は建設しても利用しないと思い込んでいるからではないかと思う。 今や北海道と東京を高速350km/hで結ぶための試験車両も着々と作られている。騒音対策など解決すべき課題は多いもののその解決方法はあると思っている。そうなると4時間台で札幌から東京に到達できるのである。
  先日、NASAがアメリカ大陸の温暖化の原因は航空機が排出する飛行機雲のせいだと発表したとの新聞記事を読んだ。今まで航空機が航空で排出するガスが何かの悪さをしているのではないかと勝手に言ってはいたがその証拠はなかた。しかし、もしNASAの言うようなことで航空機が温暖化を加速しているのであれば、地球環境負荷の少ない新幹線などで対応できる領域は新幹線でカバーし、節約できた地球環境負荷をどうしても航空機でしか対応できない地域、国へ無償で譲るのが先進国の責務ではないかと思うのは私のみの思い上がりであろうか。経済計算に載らない外部不経済を除いて現在の運賃で優劣を比較するのは大きな間違いを後代に残すこととなる。あまり前提条件付きの経済合理性に妥協してはいけないと吹聴している今日この頃である。


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