リレー「ていね星」(2004年 1月)


最近の「都ぞ弥生」斉唱における前口上について

井上 克彦(大林組)

  近年、「都ぞ弥生」を謳うとき、掛け声「明治45年寮歌、赤木顕治君作曲、・・・」の前に、別の前口上が絶唱されることが多い。42期としてそのような慣例は知らなかったのでその由縁が解からなかった。特に若い人が音頭をとる場合に多い。

  「吾等が三年を契る絢爛の・・・・」

  先般、何とはなしに見たインターネット(北大文学部OBホームヘ゜ーシ゛)でその流れが解かったので、ご存知の方も在るとは思うが受け売りする。
  この行為は昭和末期(「昭和」もこういう言い方がされるようになったのか。)に始まったらしい。リーダーが都ぞ弥生(M45)斉唱の前に、「嗚呼茫々の」(S11)の「序」である「楡陵謳春賦」(読みかたわからん)だけを前口上として節をつけて唱えるようになった。両寮歌は年代も離れまったく無関係であるが、某レコードが発売した寮歌集の歌い方が始まりであるらしい。「嗚呼茫々の」作詞者は激怒しているそうだが、最早これを正調歌唱法と信じる同窓生が多く、前口上付きが定着してしまったようである。
  然れども、我ら42期生は昭和末期より一世代前に卒業したのであるから、「嗚呼茫々の」の「序」は認めるとしても、吾等が集まりにおいては、このしきたりは行わないこととしようではないか。それにしてもこの「序」は、都ぞ弥生には遠く及ばないまでも良く出来ていると思う。

  吾等が三年を契る絢爛のその饗宴はげに過ぎ易し。

然れども見ずや穹北に瞬く星斗永久に曇りなく、
雲とまがふ万朶の桜花久遠に萎えざるを。

寮友よ徒らに明日の運命を嘆かんよりは楡林に篝火を焚きて、
去りては再び帰らざる若き日の感激を謳歌はん。


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