今年は、殊の外酷暑の夏で、その上さらに暑くしたのが、甲子園で道産子チームの全国制覇、日本人大活躍のアテネオリンピック。そんな中、二泊三日の家族旅行を楽しみました。家内、娘とマイカーで東北の温泉、遺産、史跡巡りです。
● 一日目:世界遺産の白神山地、夕焼け露天風呂の不老不死温泉
世界遺産登録成るには、自然のままの姿であること、人工の手が加わるとダメだそうです。白神山地は、広大なブナの原生林が世界遺産なのですが、ブナの木は北は北海道から九州まで生育していますが、規模が違うようです。この木は、柔らかく、建築加工材としては不適で、炭程度の利用だそうです。ただ10年以上乾燥させると、堅くなり、加工材として利用できるということですが、手間暇かかるので、重用されていないとのこと。山小屋程度の展望台まで、すれ違い出来ないような細い道を、車で1500m登り、人が入れない指定区域に1mほどお邪魔して足跡を残してきました。 山の頂から、原生林を展望しますと、実に美しい眺めで、気持ちが洗われるようです。
下山して、きれいな湖、沼とブナ林のある(遺産指定区域外)を周り、不老不死温泉に到着したのが、18時15分(盛岡のマンションを7時30分出発)でした。
この温泉は、海岸の露天風呂から日本海に日没する夕焼けを眺めながら、湯につかるのが謳い文句なのですが、まさにその情景を堪能できました。この日は天気にも恵まれ、日頃の行いの良いことを夫婦、娘とともに認め合いました。
盛岡―(東北自動車道)―十和田―大館―藤里遺産Cー能代―白神山地―12湖―不老不死温泉
(走行距離 262.8q)
● 二日目:岩ガキの象潟(きさかた)、おしんの銀山温泉
鳥海山からの新鮮で豊富な清水が日本海に流れ込み、そこに育った岩ガキは天然もので身も大きく、今が旬で生のまま三個をツルリと、娘は二個、家内は生はダメ。一個500円成。象潟市は芭蕉が立ち寄った西の北限で、“象潟の 雨に正施(せいし)か はぶの花” 正施は後漢時代の越の国の絶世の美女。呉との戦いで国を守るため和議として、呉に差し出される。その美しさと悲しさを掛け、鳥海山の絶景と海原の調和のとれた美しい町と雨にきれいなはぶの花が咲く情景を謳った句ということになりますか。市内に蚶満寺という由緒あるお寺があり、北条時頼が姿の立派なツツジを植樹していますし、この寺にも芭蕉は立ち寄っています(芭蕉の立ち像あり)。
新庄、尾花沢を通り、銀山温泉へ。両川べりに旅館が立ち並び、こじんまりしたきれいな温泉街。川にはマスが泳いで、川べりには足湯温泉もあり、男女、子供が談笑していて、和やかなよい雰囲気でです。おしん撮影の旅館ではありませんが、温泉街では一番大きな旅館の銀山荘で、1万5千円/人。酒は、女の四つ目で監視され、酔うほどには量進めず。不老不死温泉出発8時。銀山温泉到着19時。
不老不死温泉―(秋田自動車道)―能代―象潟―新庄―尾花沢―銀山温泉
(走行距離 327.1km)
● 三日目:銀山廃坑洞 芭蕉*清風歴史資料館 舟下りの猊鼻渓
この銀山はダイナマイトは使わず、焼いて水で急冷し、岩を剥がしながら、掘進する工法。岩が節理状であるので、火薬では大崩れの恐れがあるために取った工法であろう。
岐路、日本一おいしいと言われる尾花沢西瓜、12kgの大きなものを買い求めてから、芭蕉*清風歴史資料館を見学。清風は俳人ではあるが、地元の有力者で、いわば当地での芭蕉のパトロンといったところ。奥の細道道中10日をこの地に逗留した。
そして、今回のファイナル訪問地は水墨画の山峡を思わせる猊鼻渓での舟下り。川はエサ欲しさに慣れたウグイ、鯉が、舟に群がり、舟に寄り添いながら列を成して泳ぐ。
船頭がよい声を張り上げて、ご当地民謡を唄う。
時間の都合で、来年の大河ドラマの主題“義経”の撮影本拠地平泉は、娘が行きたそうにしていたが、次回とすることにして、一路盛岡へ。19時到着(宿出発9時)。
銀山温泉―古川―(東北自動車道)−一関―猊鼻渓―平泉*前沢―(東北自動車道)−盛岡
(走行距離 237.5km)
旅行全走行距離は827.4kmでした。娘が時々運転を代ってくれたので助かった。しかし、家内は運転できるのに新車を傷つけるのが怖いらしく、後ろの座席で眠ってばかり。家内の趣味は道の駅の当地物産を見ることで、その都度立ち寄って、あまり疲れてもいないのに休憩。それというのも、退職金で購入したBMWの525I が乗り心地満点で、娘はこの車の運転がお気に入りのよう。天気に恵まれ、自然豊かで、歴史のある東北を満喫。無事故で、楽しい旅行ができました。
おわり